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「講師として最も大切なのは学び続ける姿勢。それにはＰＢＬは最適」とAtlasマンツーマン英会話の伊藤さやかカウンセラー。同スクールは数多くのグループ討論専用室を設け、入学直後からグローバル化などをテーマにＰＢＬを積み重ねています。

総仕上げは年に数回行われる「ワールドカフェ」です。全国に在籍している世界30ヵ国、10ヵ国語コースの外国人講師らが受講生とグループを作り、語学学習の問題点を洗い出して改善策を考えます。東日本大震災が起こった時、各国の領事館・大使館が帰国命令を出し、Atlasに所属していた多くの外国人講師が帰国してのを機に、2012年に始まりました。

2014年度のワールドカフェには891人が参加しました。数十人ずつのグループに分かれ、何度もメンバーを入れ替えながら、より多くの人と議論するのが、「ワールドカフェ」の特徴です。

チームレッスンを多忙な現場でどう築くか、受講生との意思疎通をどう図るかなどが、8時間以上にわたり議論されました。外国人講師たちは「忙しくて、ふだんはなかなか深くものを考えられない」という日本人スタッフの声に真剣な表情で耳を傾けます。語学カウンセラーの稲垣さんは「あの震災の教訓は多い。より良いスクール環境を作らなければ」と紅潮した表情で語っていました。負の過去から芽吹いたＰＢＬが、未来を刻む学びの原動力になっているのです。

○外国人講師同士が学び、討論する場が必要

ＰＢＬといった授業形態も大切ですが、学びの空間の有無も大事な要素です。「英会話スクールの実力」調査では、14％の英会話スクールが、グループ学習のできる空間を教室とは別に設けていました。論理的な思考能力やコミュニケーション力を養うには、外国人講師同士の議論やグループ学習が有効とされていて、当然、専用の場所も必要になってくるからです。今、その場所として注目を集めているのは、ロビーの書籍コーナーです。

書籍コーナーが独立した建物であることは珍しいですが、英会話スクールの中で、書籍コーナーがレッスンルームとは区別されて、独立したコーナーとして設けられていることが多いのです。外国語関連の蔵書の数が多いだけでなく種類も豊富なスクールもあります。

「書籍コーナー」は、書籍を読む場所というだけではありません。いろいろなことを調べたり、リポートを書くなど、レッスンで課される課題の研究をするための資料・文献がたくさん用意されているところが「英会話スクールの書籍コーナー」なのです。

さらに最近目立つのは、グループで学習できるようなスペースもある図書館です。米国の映画「キューティ・ブロンド」をご覧になったことがありますか。ハーバード大学を舞台にした映画ですが、その中で蔵書に囲まれたテーブルに学生たちが集まり、議論をする場面が出てきます。読んだり、調べたり、考えたり、書いたり、さらにはディべ―トしたり…。外国人講師にとっても受講生にとっても重要な場所なのです。

人気の秘密は、教室に常駐する日本人カウンセラーの存在もあります。一緒に本を探し、説明してくれる…。英文レターの書き方指導をしてくれるカウンセラーもいます。2014年度の利用者調査では45%が「外国人より聞きやすい」などと高く評価しました。