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NOVAの倒産前の在籍生徒数は公称では約30万人、卒業生（？）は100万人を超えていたという。この100万人の卒業生の中で、NOVAやジオスなど大手英会話スクールの不正を最も鋭くただし、未消化レッスンの受講料をわずか数カ月で全額返還させた一人の受講者がここにいる。これだけの短期間に全面返還を勝ち取った例はこれまでなかっただろう。その戦いの軌跡を最初に紹介しよう。

「○○校の田村ですが。お聞きのことと思うんですけど」とNOVAの本社に電話する、受講を終わったばかりの田村さん。電話を受けたのは、NOVA本社の生徒相談室のＭという女性である。
「申しわけありませんが、うかがっておりません」
「○○校のスタッフから、『電話すればわかるようにしておく』ということだったので、電話したんですけど」
「聞いておりませんが」
「知っている方はいますか」
「おりませんが」
「またウソですか。何回もウソをつかれているんですけど」
「もうしわけありません」

この「もうしわけありません」は、なかなか話が進まない不思議な日本人の障害物になっている。NOVAだけでなく、ジオス、イーオンなど大手英会話スクールでは、通常に使われる言葉である。

「解約の清算式がどういうふうになっているか分からずに（返還金についての話を）お伺いしていますので…」
「でも、私、契約解除ではないですよ。受講したくても受講できなかったんですから。予約が取れないじゃないですか。これらそちらのシステムの問題でしょ。これ、一応、録音していますんで、伝えておきます」
「さようですか（あくまで他人事のような対応）
「こちらが言っている返還金は、そちらが言ってきた2，3万円しか差がないんですよ。でも、もうお金の問題じゃないんですよ」と田村さんは語る。
「とにかく○○校の女性スタッフの対応が悪すぎる。私、彼女に何回もウソをつかれているから、どういう気持ちでNOVAに通っていたと思います。普通、月謝制や毎回払い制でしたら、とっくにやめているんですけど、レッスンのポイントを（300ポイント）買っていたから、しょうがなくいやいやながら通っていたんです」
「ハイ」とうなずくだけの本社スタッフ。