少額訴訟は本人だけでもできる
少額訴訟の制度は、アメリカの消費者訴訟がモデルになっていて、1998年から施行されているようだ。
簡易裁判所において、30万円以下の金銭を請求する事件について、原則として1回の審理で判断を下す。裁判官が原告、被告から事情を聴いて、30分から2時間程度の短時間に判決が言い渡される。
和解による解決もできる。費用があまりかからず(数千円程度の裁判手数料と切手代ですむ)、弁護士の力を借りずとも提起できる。英会話スクールのトラブル解決には向いている。少額訴訟の注意点は、以下のとおりである。
1. 金銭を請求する事件に限られること。
2. 精神的苦痛などの損害賠償もできること。
3. 相手方が行方不明で住所が特定できない場合は提起できないこと。
4. 相手方が通常の訴訟手続きを希望した場合、あるいは裁判所が通常の訴訟手続きがヒいつ用と判断した場合は、通常の裁判に移行すること。
5. トラブルを起こした事業者の本社にある簡易裁判所だけでなく、支店や営業所がある地域の簡易裁判所へも提起できること。
6. 訴状を提出して以後、裁判所の書記官や裁判所から説明や教示が受けられること。
7. 高等弁論期日以前にも釈明ができること。
8. 原則1回の審理であるため、訴状、証拠の提出は1回のみであること。
9. 証拠調べは即時に取り調べができる証拠についてしか実行されないこと。
10. 裁判所に備え付けられた定型の用紙に訴状が書き込めること。
11. 原告(消費者)がはっきりした証拠がなければ不利であること。
12. 法廷ではなく裁判官、当事者がテーブルを囲んだ方式で行われること。
13. 判決に不服の場合、控訴はできないが、2週間以内に異議申し立てができること。
14. クレジットローン契約の取り消しとすでに払ったお金の返還請求もできること。
簡易裁判所に備え付けられた定型の訴訟用紙に、原告、被告、請求の趣旨、紛争の要点などを書き込んでいく。わからないことがあれば、裁判所の書記官、裁判官、あるいは弁護士、司法書士などに聞く。また簡易裁判所の利用の仕方、少額訴訟の進め方について書いたイラスト入りの簡単な説明書も備え付けられている。訴訟手続き、調停手続きなどの案内サービスを電話で受けられる。
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