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TOEICスコアや英語ネイティブという幻想を捨てることから

ウクライナ戦争でロシアが優勢に立ち、ウクライナが劣勢に立たされているということは、欧米主導経済のグローバル化が弱体化しているということだ。

しかし、ますます英語の必要性が強く感じられるようになっているのは間違いない。英語を使いこなせるようになるには、英語脳をつくることから始めるのが基本。英語については、それぞれ自分なりにやってきたかもしれない。

医者や研究者は英語で論文を書いたり、学会で発表したりすることもある。ツイッターやフェイスブックなどでも英語で発信している人がいる。中学から始めた英語では身につかないことを理解し、ひたすらインプットとアウトプットを積み重ねてきた人たちもいる。

どんな分野でも、さすがに1万時間を英語に使えば誰でも英語を話せるようになるはずだ。1万時間と言えば、一日3時間を約10年かかり、それに中学・高校、大学の英語授業を入れると膨大な量になる。

英語を読んだり、書いたり、聞いたり、話したりする時間が1万時間も必要ならば、受験勉強やTOEIC対策などに取り組んできた時間はカウントしてはいけない。実質的に英語を話した経験が数時間しかないほとんどの日本人は、英語脳を作れるわけがない。

あくまでも、実質的な英語に降れ、実践する時間を持つことが大切なので、日本に住んでいれば英会話スクールに通うしかないのは誰でもわかることだ。逆に言えば、そのような実践英語の時間が短い以上、日本人が英語が苦手なのは当たり前だ。

「副業の森」に惑うバブル世代は人生100年時代のロールモデルになれるか

日本人の英語脳を邪魔している一つの原因が、受験や英検、TOEICなどのテストだ。英語力を判定するにはテストは必要だが、それがすべてではない。TOEICスコアが990点であっても、英語脳があるとは決して言えない。

英検1級に合格したり、東大入試で合格しても、英語については何の保証もないのが現状だ。英語脳を育てるためには、テストの点数や資格は何の意味もなく、ただひたすらインプットとアウトプットを繰り返すことには及ばない。

コロナ後は、TOEIC対策の勉強を繰り返しても、以前のようにテストのスコアが評価されなくなってきている。何でも数字が大切な時代は終わり、これから幻想から自由になることが求められるようになる。

「英語は白人ネイティブスピーカーに学ぶべき」という日本人の根強い幻想

また、英語ネイティブから学ぶ幻想からも自由になるのは、アメリカ人やイギリス人という枠組みから離れる必要がある。つまり、国籍ではなくその個人をどう評価するということだ。今後、英語を母国語としない人同士が、英語を通して話す機会が急激に増えてくる。

テレワークが増えた2020年以降は、オンライン上で英語を話す機会が増えている。当然、第一言語が英語ではなく、アクセントやイントネーションが違うので最初は戸惑うが、最終的に誰も気にしなくなることがわかってきた。

要するに、英語ネイティブの話す英語だけが正しいのではなく、自分が英語から自由になれることで英語脳を作ることができるようになるということだ。ロシアが戦争に勝利したのなら、むしろ英語よりもロシア語や中国語を勉強した方がいいように思う。

どんな言語でもネイティブスピーカーにこだわりすぎると、話したり書いたりするアウトプットが萎縮してしまうことがある。言語の本質は自由であり、まずは相手に通じる使えるものにしておかなければならない。

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