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続いて、「さしすせそ」 に当たる発音についてご説明していきます。

「英語の発音が苦手だ」という方は少なくありません。中には、通じればいいのだから発音にこだわらなくてもいいと割り切っている方もいるでしょう。通訳者などの英語のプロの中にも「発音はあまり重視しない」という人がいるほどですから、これも一つの合理的な考え方だと思います。

しかし私自身は、発音のコツを正しく押さえておくことが英語学習において大切なポイントだと考えています。理由はごくシンプルで、発音がきれいなほうがコミュニケーションがスムーズだからです。

私には、発音の重要性を意識するようになったきっかけが2つあります。一つは、短大時代の私に英会話を教えてくれたハーバード大学の学生の日本語が非常に聞き取りにくかったことです。彼の日本語はかなりハイレベルでしたが、正しい日本語であっても発音にクセがあるため、「今、何ていったの?」と聞き返さざるをえないことがよくありました。

もう一つは、24歳でアメリカに旅行した時の経験。ラスベガスの空港に降り立ち、サーカスサーカスというホテルの名前を告げたのですが、私が何度繰り返しても、運転手に伝わらなかったのです。言い方を変え、できる限りのありとあらゆるパターンで発音してみたのですが、結局、理解してもらうことはできませんでした。5分近く粘ったあげく、仕方なく紙に書いて見せると自分ではそういっていたつもりだったのに、彼の耳にはまったく別の音に聞こえていたのでしょう。

みなさんにも「自分のこと」としてイメージしてみていただきたいのですが、外国人が日本語を話すのを聞いたとき、発音に強いクセがあったら聞き取りにくいだろうなと思いませんか？実際、何度も聞き直さないと言っていることが理解できないこともありえるでしょう。

これは当然、英語でも同じこと。もちろん多少発音がおかしくても、前後の文脈などから相手が正しく理解してくれる場合もあります。しかし自分が伝えたいことを相手にスムーズにわかってもらいたいなら、聞き取りやすいように発音したほうがいいことは言うまでもありません。

発音のトレーニングをすると、見逃せないメリットもあります。日本には英語がもとになっているカタカナ語がたくさんありますが、こうした単語はそのままカタカナで発音しても外国人に伝わらないことが少なくありません。しかし、コツを押さえて発音しさえすれば、すぐに「使える単語」になるのです。逆に考えれば、発音を直さないのは非常にもったいないことだといってもいいでしょう。