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〇奇妙な閉塞感が漂う「マナー問題」

東京の英会話スクールから手紙が届きました。「英会話スクールの実力」調査で、レッスン中のマナーへの対応を尋ねていないかというのです。そのスクールでは、携帯電話の使用を禁止しています。英語のレッスンを受けながら他のことをするのはマナー違反と教えるためですが、そんな指導をどう言えばいいのか、どうやら危惧があるようです。

残念ながら、「英会話スクールの実力」にそうした設問はありません。知りたければ、実際にレッスンを見に行くしかないでしょう。

取材で見聞きした例を紹介すると、ある英会話スクールの場合、教室ごとに「携帯、飲食、私語禁止。脱帽、コートは脱ぐこと」と英語と日本語で貼り紙がされていますが、事実上、野放しでした。そういうところは少なからずあります。

一方、授業開始時に「起立、礼」を励行したり、レッスン中はむろん、歩きながらの飲食追放にも乗り出したりするスクールもあります。最初のレッスンでマナーを告知した上で違反者の携帯電話を没収する、私語をやめないと立たせるなどを徹底する講師もいます。

けれども、これらに対して決まって出るのが「スクールで取り組むことか」という批判です。ではだれが、どう担うのか。マナーの問題には、奇妙な閉塞感が漂っているように感じます。

○障害者への支援策

障害のある受講者の学びを保証することも、英会話スクールの大切な役目です。調査から、支援のための研修や専門スタッフ配置など手厚い施策の広がりがうかがえます。

ある英会話スクールでは、視覚障害受講者の支援充実のために教職員研修会を開きました。日本人カウンセラーや外国人講師とチームを組んで約10年前から続けている、聴覚障害者の代わりにレッスンで表情を口頭で伝える「フェイス・インプレッション・テイク」活動を支援するのが狙いです。

2014年の時点では、視覚聴覚障害の受講生はいません。けれども研修を企画した担当者は言います。「どんな受講生でも、いつでも一受け入れられる態勢がなければ」。

英会話スクールの課題はどんどん多様になっています。

豆知識
Ｑ:困ったときの相談相手は？

Ａ:英語学習者は、海外で旅行や仕事をしていく過程として、現地に長くいると、自分の将来のこと、親や兄弟との関係、経済的な問題など、たくさんの悩みを抱えることが普通です。

その中には、友達や上司や同僚に相談しにくいこともあるでしょう。そんな時、スクールにある相談室のようなところを訪ねてみるといいでしょう。海外に長く生活した経験のある日本人カウンセラーが話を聞いてくれます。カウンセラーは話を聞きながら、受講生自身で判断することができるように導いていってくれるはず。一人で思い悩んで心の病になる前に行ってみることをお勧めします。