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バブルにのった教室展開で痛い目を見た大手英会話スクールも少なくない。90年代後半に倒産したバイリンガル、トーザ、JALCO（JALコーディネーションサービス）、

ブリタニカイングリッシュビレッジ（BEV）→リンガフォンアカデミー、グランダム、2007年11月倒産のNOVA、そして2010年4月倒産ののジオスなど「バブルにのった」を具体的にいえば、高い授業料を設定し、もっぱら企業相手の教室経営に重点をおいていたところである。たとえば、大手のイーオンはその例だろう。

ジオスとイーオンは、80年代に「アンビック」という会社で元々は一つだった。しかし喧嘩別れをしてしまい同じ時期にライバルのようにバブル時に全国展開を始めた。両方とも50校を数えた頃には、数億円以上のお金をかけてオリジナル教材作成や法人向けのビジネス英会話のプログラムを開発した。開校当初から企業を相手にすることを意識して、かなり高い料金を設定していた。

授業内容としてはかなり質の高いものを目指し、開発した教育プログラムのパターンは数十以上というきめ細かさだった。ビジネス英会話のため、業種ごと、国別のプログラムも組んでいた。企業の出張レッスンも行ってその料金に見合わないサービスを展開してきたことは確かである。

やはり、ネックはその料金設定であった。1レッスンあたりの料金で見ると、たとえば当時のNOVAがグループレッスンとして考えると1レッスンあたり2500円なのに対して、1レッスンあたり4000円という高さであった。

バブルでお金が余って仕方がなかったときはこうした料金設定も通用したが、バブル破たん後は一気に企業からの収入は減っていった。そして100年に1度の「大恐慌」2009年での生徒数はジオスもイーオンもバブル時の3分の1になったという。顧客の約3割が法人で占められていた影響は甚大であった。GABAも2009年には深刻な影響を受けたといわれていて株式上場しているため下方修正を何度もすることを余儀なくされたほどだ。赤字が続いた結果、2006年のジオスでいえば北日本ジオス、西日本ジオスなど企業向けの部署もなくなってしまった。

「景気が悪くなると企業は真っ先に３Kを削る」と言われる。３Kとは、交際費、広告費、研修費のことである。どうせ税金で持っていかれるなら、社員の教育に回して研修させたほうが会社としてもいい。企業の研修にはさまざまな使い方がある。そのひとつが英会話スクールに通う社員に対して授業料を一部補助または全額負担するものだ。

企業が英会話の研修にお金を出すにはいくつか実際的な目的があるのが普通。その代表的なケースが海外駐在員予備軍の英会話研修だ。ところが、90年代前半のバブルの崩壊で、どこの企業も海外駐在員の数を減らしたり、予算を削りはじめた。商社のなかでも、日本から新たに駐在員を派遣することを見合わせて、一人の駐在員がカバーするエリアを広げてしのいでいるといった話も今じゃ当たり前の話だ。

英会話もできるし、地元も熟知しているベテランをあえて日本に呼び戻して新人と交代させるよりは、はるかに資金が少なくすむからだ。