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“英語漬け”生活を始めてから6ヵ月が過ぎると、TOEICのスコアは自然に850点まで上がりました。ですが、ここからなかなかスコアが伸びませんでした。

私は、自分に足りないものは何かを考えました。講義の準備をしたりTOEICの問題集を解いたりと、独学ならいくらでもできます。問題は、客観的に私の弱点、ウィークポイントを見て修正してくれる“先生”がいないことでした。

そこで私は、毎週のように様々な英会話学校に行き、無料体験レッスンやレベルチェックを受けることにしました。レベルチェックとは、講師と20分から30分ほど1対1で会話をして、現在の英語レベルを確認するというものです。体験レッスン自体は、無料で受けられるところも、有料で行っている英会話学校もあります。

私は勿論、無料で受けられる英会話学校に絞って、今週はA英会話学校、次の週はB英会話学校と、次第に興が乗って「道場破り」のような気分で渡り歩く中、マンツーマンレッスン専門のAtlasマンツーマン英会話でこの先生に教わりたい！と思う先生が見つかり、週１回のマンツーマンレッスンを始めました。

レッスンを始めた頃は、自分の職業は内緒にしていたのですが、レッスン中に、自分が英会話学校で教えて疑問に思ったことをまとめて質問したりしているうちに、先生は私の正体に気が付いたらしく「それならそうと言ってくれればいいのに」と、それ以降のレッスンはより具体的に、すぐに授業に使えるようにいろいろと工夫して教えてくれました。

このマンツーマンレッスンを受けたことで、独学だけに頼っていた頃と比べて、勉強の効率がぐっと上がりました。

また、独学の方法も一部見直し、TOEICの問題集は1冊の問題集を繰り返し解くという学習法を取り入れ始めました。それまでは目についたTOEIC対策の本をすべて買い、新しい問題集を次々と解いてTOEICを征服した気でいたましたが、ある日、「いつも同じパターンで間違えている自分」に気づいたのです。そこで、間違えた問題に印をつけて重点的にやり直すようにしたところ、スコアがまた上昇し始めました。

英会話学校の講師になって半年が過ぎた頃に、目標の一つだった「TOEIC990点」を突破しました。

私が最初にTOEICを受けたのは、通訳者を志したことがきっかけでした。通訳にはほど遠い英語力でしかないことが判明して留学を志し、留学に必要なTOEFLのスコアを取るためにトフルゼミナールに通い、その後に受けたTOEICのスコアが予想以上によかったことから思いがけず英会話学校講師になりました。

しかし、「通訳者になりたい」という夢にずっと持ち続けていました。講師になって1年半、受け持ちのレッスンを充実させること、講師として恥ずかしくないレベルまでTOEICのスコアを上げることに力を注いでいた私ですが、990点が取れたことを機に「通訳者になるための勉強をしたい」という思いが再び強くなりました。

そして、2年前には箸にも棒にもからなかった通訳育成学校を受験すると、今度は通訳翻訳のトレーニングを行うコースの一番下のクラスに入学することができました。そこで、英会話学校の仕事は非常勤講師として続けながら、通訳学校に通学。1年半後、念願の英検1級と通訳検定2級に合格したのです。