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世界最大の英語能力指数ランキング

前回、世界英語力ランキングのスコアを上げたドイツについて紹介しましたが、学校の教育方針が変わったわけではなく、企業の英語に対する考え方が変わったことがポイントでした。

そして、世界英語ランキングでアジア勢として急上昇したのが韓国です。1997年、アジア通貨危機に巻き込まれた韓国は、IMFの管理下に置かれるという屈辱を味わいました。

IMFの管理下に置かれということは、他国から経済的な占領を受けることと同じです。もう二度とこのような経験をしないためにも、韓国は英語とIT分野で強くなり、先進国（G20）の仲間入りを果たしました。

当時、金大中（キム・デジュン）大統領はこのような発言で国民を鼓舞し続けていました。結果として、韓国人の英語熱は次第に高まり、誰もが英会話スクールに通うようになったと言われてます。

「英語下手」だった韓国人の英語力が向上したワケ

その後、世界で活躍できる人材を輩出するために大学の改革が始まりました。特に、有名大学の入学試験（英語）はレベルが急激に上がり、大学卒業の条件として4年間のうちに6カ月以上の海外留学を強要しました。

英語だけで授業する学部や学科を増設し、ソウル大学や延世大学、高麗大学など一流大学の卒業生を国際機関に入局させるという仕組みも作りました。また、男社会の韓国企業に入社せず、男女平等の意識が高い外資系企業に入社する人が増えました。

そうして高度な英語力を身に付けさせようとした結果、ドイツでは企業が変わりましたが、韓国では大学が大きく変わったことで総合的な英語力が飛躍的に向上したとされています。

日本は、ドイツや韓国が国策として実施してきたことを参考にする必要はないですが、日本の英語教育は変えていかねばならないと思います。たとえば、大学のほとんどの授業を英語のみで行うことはできるはずです。

英語の民間試験導入を先送りにした厚労省は、日本の国際競争力や危機感が足りないことがわかります。実際に、韓国に行くと様々な場所で英語力を高めなければ生活できなくなる、という切羽詰まった危機感を感じさせてくれます。

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その他、同じアジアの台湾は中国の脅威にさらされており、家族全員の国籍が中国、シンガポール、マレーシアなど異なる華僑ということで、中国と戦争になれば世界中どこでも生きていけるように英語や日本語を習っている人が多いのが特徴です。

また、北欧のフィンランドは1980年代後半に経済不況に陥り、冷戦構造が終わった危機感の中でグローバル人材の育成が始まった国です。さらに、永世中立国のスイスは英語やフランス語、ドイツ語、そしてイタリア語の話者が揃っています。

そして、東ヨーロッパ諸国では独裁者の圧政から逃げるために若者が英語とITを積極的に学んでいます。インドやフィリピンでは貧困から逃れるために英語とIT力を身に付け、国外から脱出する目標を持つ若者が多くいます。

このように、世界の人々が小学生から英語とプログラミングを学び始め、世界を相手に事業を始めている現状があります。英語力を高めた国では、危機感そのものが英語習得の原動力となって現れています。

それに対して、日本人は政治や経済、社会に対して危機感がなく、コロナ禍でも英語力を向上させずにただ家に閉じ困ってたように思います。ドイツのように企業が変わらないのであれば、自分で英会話スクールに通うしかありません。

日本では多くの企業が英語力を入社や昇進の条件にした時期がありましたが、TOEICで高得点を取ったからといって、ビジネスの現場で英語のコミュニケーションが上達しないことが起こっています。

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